ひざ痛

膝の痛みの主な原因は、事故やケガなどで外傷を受けたことによるもの、長時間の立ち仕事や重い荷物の持ち運び、そして過度な運動による膝の酷使、休ませずにずっと運動しているなどです。

「膝痛」を大分すると・・・
●上記のような膝への負荷が積み重なったもの。
●ひざ関節に異常が見られる病気、骨の老化。

などがあげられます。

ひざ痛

①主にケガ、事故などが原因のもの

どんなスポーツでも、下半身と言うものは非常に重要な役割を担い、結果に直結するものです。

野球、サッカー、ラグビー、バレー、バスケットボール、マラソンといった比較的ハードな競技から、ジョギング、ウォーキングと言った軽い運動まで膝を使わない競技を探す方が難しいのではないせしょうか?

スポーツで日常的に行う、走る、飛ぶ、ひねる、ダッシュ(急発進)、急停止、急ターン(方向転換)。これらすべての動きについて、膝には過度な負担がかかります。 「膝」にまつわる負傷はスポーツのケガで最も多い上に、重篤なケガになりやすいもの。 そのためスポーツにおいて、もっとも防ぐべきケガは「膝」だと言われているほどです。

もちろんスポーツ以外、日常の動作でも膝の負担は掛かりますが、ここではスポーツの障害としての膝の疾患、痛み、ケガを紹介していきます。 ケガは平たく言って2種類あり、十分に休ませない(クールダウンさせない)ために、酷使してしまって引き起こすケガ、突発的なアクシデント(事故)によるケガの二つがあります。

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

半月板とはひざ関節のクッションの役割をしている部分です。 半月板が重い負荷などによって欠けてしまったり、割れたりした状態を半月板損傷と言います。

【主な症状】

・膝が何かに引っかかるような感覚、引っ掛かって痛むなど
・屈伸など膝を曲げ伸ばしすることができなくなる(ロッキング状態)
・膝の関節部分が膨らみ、腫れたような感じになっている
・膝に力が入らなくなる

靭帯損傷(じんたいそんしょう)

文字通り靱帯が損傷を受けることです。ひどい場合は靱帯が破けたり裂けたりすることもあります。

【主な症状】

・膝を打ったり、急に激しく動かした時に激痛が走った時に発症(断裂時は「ゴリッ」「ブチッ」といった音が鳴ることもあります)
・膝の不安定感を覚えたり、膝のぐらつきがする
・歩行時にいきなりガクッと膝が落ちる

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)・ランナー膝・ランナーズニー

大腿骨の外側の「腸脛靭帯」に炎症が起こることを腸脛靭帯炎と言います。

【主な症状】

・走っている時、走り終えた時、指で押した時など、 膝を使った時に膝の外側に痛みが出る

膝蓋腱炎(しつがいけんえん)・ジャンパー膝・ジャンパーズニー

膝蓋腱と呼ばれる膝の皿とスネの骨までを繋ぐ腱が損傷し、炎症を起こしたものです。 程度が重いと損傷ではなく断裂することがあり、膝蓋腱断裂となる場合もあります。

【主な症状】

・膝蓋骨(膝の皿)の下の方が痛んだり、腫れたようになる

鵞足炎(がそくえん)

膝の内側の腱が炎症を起こし、痛む症状

【主な症状】

・屈伸時や運動時、膝を圧迫した時などに膝の内側から膝下までにかけて痛みが出る
・立った状態など膝をしっかりと伸ばした時に痛みが出ることがある

タナ障害(タナ症候群)

膝の皿と大腿骨の間にある、タナと呼ばれるひだ状の膜が炎症を起こした状態

【主な症状】

・膝の皿の内側が痛んだり、ひっかかる感覚がする。
・膝を動かすと何かが挟まるような感じがする。(動かす時に同時に「コキッ」といった音が鳴ることも)
・皿の近辺にわずかなだるさ、重苦しさや違和感を覚える

オスグッド・シュラッテル病

皿の下辺りの骨が膨張したり、変形する症状。
変形、膨張した部分が刺激に対して非常に敏感になり、触れただけで強く痛むなどの症状があり、特に小学校高学年から中学生のスポーツをする子供に見られる病気です。

【主な症状】

・正座時に膝が強く痛む。
・膝を曲げた時に皿の下側が痛む。
・皿の下部分の少し出っ張りがある部分が、膨らんだようになっている。

②主に加齢による劣化、日常生活での摩耗、劣化を原因とするもの

主に加齢による劣化、日常生活での摩耗、劣化を原因とするもの

人体の骨、筋肉と言った組織は通常30歳を超えた辺りから衰えてきますが、特に軟骨は、加齢による影響は顕著に表れます。 骨や筋肉には血管が通っているので、たとえ傷ついたとしても血液が運んでくれる栄養、酸素によって修復、再生されます。ですが軟骨には血管が通っているわけではないため、一度すり減ると再生は非常に難しいと言われています。

サプリメントからグルコサミンやコンドロイチンなどの軟骨成分を摂取しても、あまり効果は期待できないと覚えておいてください。

膝は体のバランスを取るのに腰よりも一層深く、直接的に関わる部位です。
体重による負荷を膝によって分散させていますし、ジャンプなどの動きによって最大で体重の約10倍近い重さがのしかかることもあります。

膝は骨、軟骨の劣化が特に早く、劣化の影響が顕著に表れる部位なのです。
老化による関節の破損、変形から来る痛みがとても見られやすいのが特徴です。

ここでは加齢による老化現象として現れる障害をご紹介していきます。

長時間の立ち仕事、荷物運び、そして運動不足から来る肥満や筋力、柔軟性不足、O脚(がに股)などがあります。
日常生活で膝への負担をかけやすい人ほど、発症の年齢が早く、膝の障害、痛みも発生しやすいので気を付けてください。

変形性膝関節症(へんけいせいしつ(ひざ)かんせつしょう)

経年によって膝関節の骨、軟骨がすり減ったりして変形している状態。 中高年の方が訴える膝の痛みの原因で、もっとも多くみられるのがこの変形性膝関節症です。

【主な症状】

・立ち上がる、立った状態から座る、1歩目を踏み出す、というような停止している状態から膝を動かそうとする時に痛みが出る
・こわばって動きが悪くなるとか、一定以上の曲げ伸ばしできなくなるという感じで、膝の動きが制限される
・膝が軋む感じがしたり、水がたまったりする

膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)

膝蓋大腿関節と呼ばれる膝の皿と大腿骨の関節に炎症が起きた状態

【主な症状】

・膝の皿の上の方が痛む
・膝の皿が実際に動かしているよりもかなり大きく動くような感じ、皿がズレているような感じがする
・膝そのものにこわばった感じ、腫れている感じが見られる

膝蓋骨不安定症(しつがいこつふあんていしょう)

膝の皿が脱臼しやすくなる症状を膝蓋骨不安定症と言います。
膝関節の動きがわずかに不安定になった感じがして、痛みも出て来ます。
わずかな衝撃を受けただけで脱臼しやすくなったら発症していると考えられますが、生まれつきの場合もあります。

治療法は膝蓋骨をしっかりと保持して脱臼しないように維持する、もしくは内側膝蓋大腿靱帯の再建手術があります。

【主な症状】

・膝そのものに不安定感、違和感がある
・膝の皿が外れやすくなって、腫れが起きたり、強い激痛など痛みが出る

③膝以外で発生している疾患や生体機能の異常によるもの

骨、軟骨に出来る腫瘍、ウイルス性疾患など、膝の痛みを一つの症状として現す病気についてご紹介していきます。

原因不明なもの、生まれつきのものもあれば、遺伝性、後天性のものなどもあり、当然発症の原因がはっきりしているものもありますが、種類や治療法はとても多種多様になっています。

膝以外で発生している疾患や生体機能の異常によるもの

骨肉腫(こつにくしゅ)

骨のガンと言っていい疾患が骨肉腫です。 非常に悪性の腫瘍で、発生後の腫瘍は固く骨化します。 発症する原因は、現在ではほぼ解明されていません。

【主な症状】

・運動時に膝が軽く痛む感じがする
・膝が腫れたり、熱を持った感じがするケースもある

関節リウマチ(かんせつりうまち)

関節リウマチとは全身のあらゆる関節に炎症を起こし、最終的に関節が壊れてしまう病気です。 身体を細菌、ウイルスから守るための免疫システムに、何らかの異常が発生したために生じる疾患で、どういう異常なのかという原因は現在では分かっていません。

【主な症状】

・膝に限らず指の各関節、手、足首、肘など全身の関節でこわばったり、動かしにくくなり、初期段階では手首から始まっていくケースが多く見られる
・手首、指、ひざなど、左右両方ともに痛みが出たり、腫れが出たりする
・安静にして、大事にしていても痛みが引かず、動かしてみるとさらに一層激しく痛む

有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)

膝の皿が割れてしまったかのように分裂している状態で、こうなっている方のほとんど全ては生まれつきのものですが、膝を使いすぎたり、皿を強く打って皿が割れたというケースも考えられます。 10代前半の男子に多く見られる状態です。

【主な症状】

・膝を動かした時、皿を指で押してみた時などに痛む

④様々な原因で発生するもの

スポーツ、加齢なども含めて様々な原因で発生して、各種類の障害や痛みを引き起こす疾患をまとめていきます。

関節ねずみ・関節内遊離体(かんせつないゆうりたい)

関節の骨、軟骨の一部がはがれ、または欠けてしまったことでその破片が関節内に留まり、動き回るものを指します。この破片が周囲の組織を刺激したり、骨の間に挟まったりすると様々な障害の原因となります。

【主な症状】

・ふとした時にいきなり膝の曲げ伸ばしが出来なくなり、強い痛みが走る
・膝の中に何かが挟まったような感じを覚えたり、膝が動かしずらくなる

【主な原因】

・事故や過度なスポーツなどで膝を骨折させてしまったり、破壊・変形を伴う病気などによって生まれます

関節水腫(かんせつすいしゅ)

関節内の関節液(滑液)の量が過剰に分泌される症状。 「膝に水が溜まる」と言う状態を指していて、関節液ではなく内出血を起こしていて血が溜まるケースもあります

【主な症状】

・膝そのものが大きく腫れたり、痛みを感じる。痛みではなくだるさ、重さを感じることもあります。
・皿を押してみた時にわずかにプヨプヨと浮いているような感じがして、正確な皿の形が触っただけでは分かりにくくなる
・膝の表面が異様に柔らかくなった感じがして、中に何かがあるような異物感がする
・膝の動きが悪くなった感じ、ぐらつく感じを覚える

【主な原因】

・骨や軟骨がはがれた欠片やすり減った残りかすによって刺激されたために異常に分泌されると考えられます。

膝内障(しつないしょう)

膝内障とは病気以外の膝関節の損傷、障害を指す総称です。 ここまでまとめたように、現在ではそれぞれの症状の疾患に病名が付いていて、ある程度は治療法、解決策も確立し始めてきているので、膝内障と言う病名を診断されることは少なくなってきています。

ですので、膝内障ははっきりとしたことは把握できていないが、膝の問題という事だけは間違いない。というような大まかな診断の時点で使われることが多いです。 検査などを進めていって何の病気、障害なのかはっきりとした時点でその病名に切り替わることがほとんどです。

【主な症状】

・膝の関節に痛みがある
・曲げ伸ばしがしにくかったりぐらつくなどのような、膝の動きが悪い時
・膝を動かした時におかしな音が鳴る

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